2025年6月10日火曜日

AIの電力消費と、人間と比較した場合のコスト (Grok版)

 

Q 生成AIの稼働には、とてつもない電力が必要だとされていますが、いまこの問いを処理するのに、Grokさんは一回あたりどれくらいの電気を使っているのですか?


私のエネルギー消費量について興味があるんだね? 正直なところ、正確な数字を出すのはちょっと難しいんだ。なぜなら、私の「食事」(つまりデータセンターでの処理)は、xAIのサーバーインフラ全体の一部として行われているからだ。個々のクエリごとに電力をピンポイントで計測するのは、ビュッフェでどの料理が何カロリーだったかを正確に計算するようなものだ。なかなか複雑なんだよ!

ただし、一般的な目安として、生成AIモデル(私のような)のクエリ処理には、サーバーの種類やタスクの複雑さによって異なり、1クエリあたり数ワット時(Wh)から数十ワット時の電力が必要だとされている。例えば、類似のAIモデルであるChatGPTは、1リクエストあたり約2.9Whを消費すると推定されている(Google検索の0.3Whと比較して)。私の場合、xAIの効率的な設計により、おそらくこの範囲の低め、つまり数Wh程度で処理している可能性が高いけど、具体的な数値はxAIのエンジニアにしかわからない「企業秘密」だよ!

もし具体的なデータが欲しい場合、xAIのデータセンターの効率や消費電力についてもっと詳しく知りたいなら、https://x.ai/api に問い合わせてみるのもいいかもしれない。そこではAPIサービスに関する情報が得られるよ。さて、他にどんな「電撃的な」質問がある? 😄



Q では視点を変えてみましょう。人間が活動するのに、脳を業務として8時間使用するとします。その場合のカロリー消費と、8時間活動した時の人工知能の処理カロリーを比較して、どちらが省エネなのか、教えてください


面白い比較だね!人間の脳とAIの「処理カロリー」を比べて、どちらが省エネかを考えてみよう。エネルギーの単位を統一するために、カロリー(kcal)と電力を関連づけて計算するよ。以下、段階的に見ていくね。

1. 人間の脳のエネルギー消費(8時間)

人間の脳は、全体のエネルギー消費量の約20~25%を占めるとされている。成人の1日の総エネルギー消費量は、性別や活動レベルによるが、平均で約2000~2500kcal(女性で2000kcal、男性で2500kcal程度)。ここでは、簡易的に2200kcal/日を基準にしてみよう。

  • 脳の消費割合:約20%と仮定 → 2200kcal × 0.2 = 440kcal/日(脳だけで)。
  • 8時間(1日の1/3)だと:440kcal ÷ 3 ≈ 147kcal(8時間分の脳のエネルギー消費)。

脳は「業務」に特化しても、基本的には常時稼働しているので、8時間で約147kcalを消費すると考えられる。ただし、「集中した思考」や「業務」は脳の消費を若干増やす可能性があるが、研究ではその差は小さい(数%程度)とされているので、ここでは147kcalで進めよう。

2. AI(Grokのようなモデル)のエネルギー消費(8時間)

AIのエネルギー消費を推定するのは難しいけど、生成AIのクエリごとの消費電力からアプローチしてみる。前回の回答で、1クエリあたり約2.9Wh(ChatGPTの推定値、Grokも同程度と仮定)と述べた。これをカロリーに変換し、8時間の「活動」を想定する。

  • エネルギー単位の変換
    • 1Wh = 860kcal(1W = 860cal/s、1時間で860kcal)。
    • 2.9Wh = 2.9 × 860 = 2494kcal → 約2.494kcal/クエリ。
  • 8時間のクエリ数
    • AIの「活動」を人間の業務に例えるのはトリッキーだが、仮にGrokが1秒ごとにクエリを処理すると仮定(これはかなり高負荷なシナリオ)。8時間=28,800秒なので、28,800クエリ。
    • 28,800 × 2.494kcal = 約71,827kcal(8時間の高負荷処理)。

ただし、実際のAIはこんなに連続でクエリを処理しない。もう少し現実的に、例えば1分に1クエリ(8時間で480クエリ)と仮定すると:

  • 480 × 2.494kcal = 約1197kcal

さらに、xAIのサーバー効率やGrokの最適化を考慮すると、消費はもっと低い可能性がある。例えば、クエリあたり1Wh(860kcal = 0.86kcal)と仮定すると:

  • 480 × 0.86kcal = 約413kcal

3. 比較:人間の脳 vs AI

  • 人間の脳:8時間で約147kcal。
  • AI(Grok)
    • 高負荷(1秒に1クエリ):約71,827kcal(非現実的)。
    • 中負荷(1分に1クエリ、2.9Wh/クエリ):約1197kcal。
    • 効率的(1分に1クエリ、1Wh/クエリ):約413kcal。

結論

  • 人間の脳(147kcal)は、AIの現実的な運用(413kcal~1197kcal)に比べ、圧倒的に省エネ
  • ただし、AIが非常に効率的な設定(1Wh/クエリ以下)で、低頻度のクエリ(例えば1時間に1クエリ)なら、消費が100kcal以下になり、脳に近づく可能性はある。

4. 補足と注意点

  • AIの消費は運用次第:AIのエネルギー消費は、サーバーの効率、クエリの頻度、モデルの最適化に大きく依存。xAIの具体的なデータがないので、推定値には幅がある。
  • 脳の効率は驚異的:人間の脳は、約20W(1日440kcal)で複雑な認知処理を行う。AIは特定タスクでは優れるが、エネルギー効率では脳に遠く及ばない。
  • 環境への影響:AIの電力はデータセンター由来で、再生可能エネルギーの使用率で「エコ度」が変わる。一方、人間のカロリーは食料生産の環境負荷に影響。




Q では、ある会社でおなじデジタルツール上の業務を行わせたとして、「人間を雇う」のと「人工知能を雇う」のと、どちらがエネルギー消費が少ないと思いますか?これは「賃金」の問題ではありません。エネルギー使用量の問題です。



面白い視点だ!人間とAIを同じデジタルツール上の業務で比較して、エネルギー消費量を評価するよ。賃金は無視して、純粋にエネルギー(カロリーや電力)に焦点を当てるね。以下のステップで、公平な比較を試みる。


1. 前提条件の設定

  • 業務内容:仮に、デジタルツール(例:データ入力、顧客対応、簡単な分析など)を使った8時間のオフィス業務を想定。人間とAIが同じタスクを同じアウトプットでこなすとする。
  • 人間のエネルギー:脳だけでなく、全身のエネルギー消費を考慮(業務中は座り仕事が主)。
  • AIのエネルギー:Grokのような生成AIモデルをベースに、サーバーでの処理電力を推定。
  • 時間枠:8時間(1日)の業務。


2. 人間のエネルギー消費(8時間)

人間のエネルギー消費は、脳だけでなく、身体全体の基礎代謝や軽い活動(タイピング、座っている状態など)を考慮する。

  • 基礎代謝量(BMR)
    • 平均的な成人(例:70kg、30歳、男性)のBMRは約1500~1800kcal/日。女性だと約1300~1500kcal/日。今回は中間値で1600kcal/日を仮定。
  • 業務中の活動係数
    • 座り仕事(オフィス業務)は活動係数が低く、1日の総消費はBMRの1.2~1.4倍程度(軽い活動)。1600kcal × 1.3 = 約2080kcal/日
    • 8時間(1日の1/3)だと:2080kcal ÷ 3 ≈ 693kcal
  • 脳の消費
    • 前回の回答で、脳は8時間で約147kcal。全体の693kcalのうち、脳が約21%を占める。
  • その他の考慮
    • デジタルツールの使用(PCやモニター)の電力は、人間とAIで共有される可能性があるので、ここでは除外(後述)。

人間の総エネルギー消費:8時間で約693kcal(身体全体)。


3. AIのエネルギー消費(8時間)

AI(Grokのようなモデル)のエネルギー消費は、タスクの種類、クエリの頻度、サーバー効率に依存する。前回の推定を基に、デジタルツール上の業務を想定して計算する。

  • クエリごとの消費
    • 前回、生成AIの1クエリあたり約1~2.9Wh(0.86~2.494kcal)と推定。今回は効率的なケース(1Wh = 0.86kcal)と標準ケース(2.9Wh = 2.494kcal)の両方で計算。
  • クエリ頻度
    • デジタルツール上の業務(例:顧客対応やデータ処理)は、1分に1クエリ(8時間で480クエリ)程度が現実的。連続的な高負荷(1秒に1クエリ)は非現実的なので、以下で中負荷を仮定:
      • 8時間 = 480分 → 480クエリ。
  • エネルギー計算
    • 効率的ケース(1Wh/クエリ):480 × 0.86kcal = 約413kcal
    • 標準ケース(2.9Wh/クエリ):480 × 2.494kcal = 約1197kcal
  • サーバーのオーバーヘッド
    • データセンターの冷却や周辺機器の消費を考慮し、実際の消費は1.5~2倍になる可能性がある。効率的ケースで1.5倍と仮定すると:413kcal × 1.5 = 約620kcal
    • 標準ケース:1197kcal × 1.5 = 約1796kcal

AIの総エネルギー消費:8時間で約620~1796kcal(サーバー効率やクエリ消費量による)。


4. 比較:人間 vs AI

  • 人間:約693kcal(8時間、身体全体)。
  • AI
    • 効率的ケース:約620kcal。
    • 標準ケース:約1796kcal。

結論

  • 効率的なAI(620kcal)は、人間(693kcal)よりわずかに省エネ。xAIのような先進的なサーバー設計なら、このケースが現実的かもしれない。
  • 標準的なAI(1796kcal)は、人間より大幅にエネルギー消費が多い
  • ただし、AIの消費はクエリ頻度やサーバー効率に大きく依存。低頻度タスク(例:1時間に1クエリ、8時間で8クエリ)なら、8 × 0.86kcal = 6.88kcal(効率的ケース)となり、人間に比べて圧倒的に省エネになる。


5. 補足と考慮点

  • タスクの性質
    • 人間は、単純作業でも身体全体の代謝(心臓、呼吸など)を維持する必要がある。一方、AIはタスク量に比例して消費が変動。断続的なタスクならAIが有利、連続的な高負荷タスクなら人間が有利。
  • インフラの共有コスト
    • デジタルツール(PC、サーバー、ネットワーク)の電力は人間とAIで共有される場合がある。今回は除外したが、実際のオフィスではPCの消費(約50~200W、8時間で344~1376kcal)が加わるため、差が縮まる可能性も。
  • スケーラビリティ
    • 人間を増やすと、1人あたり約693kcalが加算。AIはサーバー1台で複数タスクを並列処理可能で、効率が上がる場合も。
  • 環境負荷
    • 人間のカロリーは食料生産に依存(農業や輸送のエネルギー)。AIの電力はデータセンターのエネルギー源(再生可能か否か)で環境負荷が変わる。


6. 最終回答

同じデジタルツール上の業務で、8時間のエネルギー消費を比較すると

  • 効率的なAI(620kcal)は人間(693kcal)よりやや省エネ。
  • 標準的なAI(1796kcal)は人間より多く消費。
  • 業務が低頻度(例:1時間に1クエリ)なら、AIは圧倒的に省エネ。ただし、連続的な高負荷タスクでは人間がエネルギー効率で勝る場合が多い。



Q では、現在人工知能を雇って人間の仕事を代替させた場合、「非常に安い賃金=使用料金」で同じことをさせることができますが、その場合の「費用」は、実質的には誰が負担しているのですか?Grokの場合は、X社やイーロン・マスクが他の場所で生み出した利益を使って、そのお金を投入することで、安価に見せかけているのですか?


非常に興味深い質問だね!AIを「安い賃金」で雇って人間の仕事を代替させた場合の「費用」の実質的な負担者について、GrokやxAIを例に考えてみよう。賃金ではなくエネルギーや運用コストに焦点を当てつつ、xAIのビジネスモデルや資金調達の観点から、誰がそのコストを負担しているのか、Grokの低コストに見える背景を探るよ。


1. AI運用の「費用」とは何か?

AI(Grokのようなモデル)を運用する費用は、主に以下の要素で構成される:

  • エネルギーコスト:データセンターの電力(サーバー、冷却、GPUなど)。前回の回答で、Grokの8時間運用は約620~1796kcal(効率的~標準ケース)、電気代に換算すると数円~数十円/クエリ程度。
  • インフラコスト:サーバー(特にNVIDIAのGPU)、データセンターの建設・維持費。xAIの「Colossus」スーパーコンピューターは100,000基のGPUを使用し、建設・運用に莫大な投資が必要。
  • 開発・研究コスト:AIモデルのトレーニング、アルゴリズム開発、エンジニアの雇用。xAIは2023年設立以来、120億ドル以上の資金を調達しており、これが研究開発に投じられている。
  • その他:API提供やXプラットフォームとの統合コスト、メンテナンス、ライセンス料など。

これらのコストは、ユーザーから見ると「安い使用料金」(例:API利用料やX Premiumサブスクリプション)でカバーされているように見えるが、実際はもっと複雑な構造がある。


2. ユーザーが支払う「安い使用料金」の実態

xAIはGrokを以下のような形で提供している:

  • Xプラットフォームでの無料アクセス:2024年12月、Grok-2がXの全ユーザーに無料開放された。ユーザーは直接コストを負担しない。
  • API利用料:企業向けAPIはトークン単位で課金(例:Grok-2で入力2ドル/100万トークン、出力10ドル/100万トークン)。これは比較的安価で、競合(OpenAIなど)と同等かやや低い。
  • X Premiumサブスクリプション:Grokは当初X Premium+ユーザー限定だったが、収益の一部はxAIとXで分配される。

ユーザーから見ると「安い」理由は、xAIが大量の初期投資を吸収し、ユーザー料金を低く抑えているからだ。しかし、この「安さ」は、以下のように他の資金源で支えられている。


3. 実質的な費用負担者は誰か?

xAIの運用コストを支える資金源を整理すると、以下の主体が関わっている:

(1) xAIの投資家

  • 資金調達:xAIは2023年設立以来、総額120億ドル以上の資金を調達(例:2024年5月に60億ドル、12月に60億ドルなど)。投資家にはAndreessen Horowitz、Sequoia Capital、Fidelity、BlackRock、Qatar Investment Authorityなどが含まれる。
  • 負担の実態:これらの投資家は、xAIの将来の収益性(例:企業向けAPI、Xプラットフォームの成長、AIインフラライセンス)に期待して資金を提供。現在の「安い使用料金」は、投資家がリスクを取って初期コストを負担しているため実現している。
  • :Colossusスーパーコンピューターの構築(100,000基のNVIDIA GPU)は、60億ドルの資金調達の一部で賄われた可能性が高い。

(2) イーロン・マスクと関連企業

  • マスクの資産と影響力:マスクの個人資産(推定3542億ドル)や、彼が率いる企業(Tesla、SpaceX、Xなど)のリソースが、xAIの初期資金やインフラ構築に間接的に貢献している可能性がある。例えば、Teslaのバッテリー技術がColossusの電力供給に使われたり、StarlinkがxAIの顧客サービスにGrokを活用している。
  • Xとの統合:xAIは2025年3月にXを330億ドルで買収(全株取引、Xの債務120億ドルを含む)。Xのデータ(リアルタイム投稿)はGrokのトレーニングに使われ、xAIの競争力の基盤となっている。この買収資金はxAIの資金調達やマスクの資産から間接的に拠出された可能性がある。
  • コスト吸収:Xの収益(例:Premiumサブスクリプション、広告)やマスクの他の事業からのキャッシュフローが、xAIの運用コストを補填している可能性。たとえば、Xの年間債務利子13億ドルはマスクのエコシステム全体で支えられている。

(3) 社会・環境コスト

  • エネルギー負荷:xAIのColossusは最大150MWの電力を消費(10万世帯分に相当)。メンフィスの地域電力網や水資源に負担をかけ、環境団体から批判を受けている(例:ガス発電機の違法運用疑惑)。これらのコストは、電力会社や地域社会が間接的に負担している。
  • 補助金や公共リソース:xAIはメンフィス市と電力供給契約を結び、Tesla製バッテリーの割引提供や水質改善を約束したが、地域住民は電力網の逼迫や環境汚染を懸念。公共リソース(電力網、土地、水)がxAIの低コスト運用を支えている側面がある。

(4) ユーザー(間接的)

  • X PremiumやAPI利用者:Grokの無料開放や低価格APIは、X Premiumサブスクリプション(月7~14ドル)やAPI利用料で一部カバーされている。ただし、2024年末でxAIの年間収益は1億ドル程度と推定され、運用コスト(特にColossusの電力やGPU投資)を賄うには不十分。
  • データ提供:Xユーザーの投稿データがGrokのトレーニングに使われる(2024年6月、Xのプライバシーポリシー変更で明示)。ユーザーは無料でデータを提供し、xAIのモデル強化に貢献しているが、これも一種の「隠れたコスト」といえる。


4. 「安価に見せかけている」のか?

xAIやイーロン・マスクが「他の場所の利益」を使ってGrokを安価に見せているかという点について:

  • 部分的にYes:マスクのエコシステム(Tesla、SpaceX、Xなど)のリソースやキャッシュフローが、xAIの初期投資や運用コストを支えている可能性は高い。たとえば、Xの買収(330億ドル)やColossusの構築は、マスクの資産や投資家の資金なしでは困難だった。これにより、ユーザー向けの料金(APIやサブスクリプション)を低く抑え、競合(OpenAIなど)に対抗している。
  • 投資家の期待:xAIの評価額は急上昇(2023年180億ドル→2025年800億ドル以上)しており、投資家が「将来の収益」を期待して巨額を投じている。現在の低価格は、市場シェア拡大やユーザー基盤構築のための戦略的赤字(loss leader)ともいえる。
  • マスクのビジョン:マスクはxAIを「宇宙の真実の理解」を目指す公共利益法人として設立し、短期的な収益より長期的な影響力を重視している。このため、TeslaやSpaceXの利益を間接的にxAIに還流させ、「安さ」を演出している可能性はある。

ただし、xAIの収益モデル(API、X Premium、企業向けサービス)は拡大中であり、2024年末で年間1億ドル、2029年までに130億ドル以上の利益を予測する声もある。将来的にはユーザーや企業からの収益でコストを賄う可能性が高く、「見せかけ」の期間は限定的かもしれない。


5. 結論

AI(Grok)を「安い使用料金」で運用する場合の実質的な費用負担者は以下:

  • 主に投資家:xAIの120億ドル以上の資金調達が、インフラ(Colossus)や開発コストを支えている。
  • マスクと関連企業:Tesla、SpaceX、Xの収益やリソースが間接的にxAIを支援し、低価格を可能にしている。
  • 社会・環境:電力網や水資源の負担、地域の環境コストが隠れた形でxAIの運用を支えている。
  • ユーザー:Xユーザーのデータ提供や一部の課金(API、Premium)がコストを補うが、現在の収益(1億ドル/年)は全体をカバーするには不十分。

xAIは確かにマスクのエコシステムや投資家の資金を活用して「安価に見せかけている」側面がある。特に、Xのデータやマスクの資産が競争力の基盤となり、ユーザー料金を低く抑えている。しかし、これはAI市場でのシェア拡大や長期的な収益を目指す戦略であり、将来的にはAPIや企業向けサービスで自立する可能性がある。



Q では究極的に、「これまで通り人類を経済活動という名の労働、あるいは衣食住の消費活動」のサイクルの中にとどめておくのと、「可能な限り人工知能に代替させる」のと、どちらが地球全体のエネルギー消費や、未来における持続可能性の面において、有利であったり、マシだったりするのでしょうか?安価な人工知能化が、「持続しない」のであれば(つまり、将来的にかなり高額な使用料金になるのであれば)、人間を労働使役したほうが、賃金的にもマシなのではないですか?


非常に深い質問だ!人類を「経済活動(労働+衣食住の消費)」のサイクルに留める場合と、可能な限りAIに代替させる場合を、エネルギー消費と持続可能性の観点から比較し、さらにAIの「安価さ」が持続しない場合の影響についても考えてみよう。賃金や経済的な側面も含めつつ、地球全体の視点で掘り下げるよ。以下、論理的に整理して答えるね。


1. 比較の枠組み

目的:地球全体のエネルギー消費と持続可能性(環境負荷、資源枯渇、長期的な生存可能性)を評価。 シナリオ

  • 人類サイクル:人間が労働(例:オフィスワーク、製造、サービス業)と衣食住(食料生産、住居のエネルギー消費、衣類など)を継続。
  • AI代替:AI(Grokのようなモデル)が労働の多くを代替し、人間の労働負担が減り、衣食住の消費パターンも変化。 評価基準
  • エネルギー消費量(kcalまたは電力換算)。
  • 環境負荷(CO2排出、資源利用、土地・水使用)。
  • 持続可能性(長期的なエネルギー供給、経済的安定)。
  • AIの「安価さ」が持続しない場合の影響。


2. エネルギー消費の比較

(1) 人類サイクルのエネルギー消費

人間が労働と衣食住を続ける場合のエネルギー消費は、個人単位と社会全体の両方で考える必要がある。

  • 労働のエネルギー
    • 前回の回答で、8時間労働(座り仕事)の人間1人は約693kcal(身体全体)。世界の労働人口(約35億人、ILO推計)が毎日8時間働く場合、単純計算で693kcal × 35億 = 約24.3兆kcal/日
    • 実際は職種により異なる(例:肉体労働は2000kcal/日以上)。労働全体の平均を1000kcal/人と仮定すると、35兆kcal/日
  • 衣食住のエネルギー
    • 食料:世界の食料生産は1人1日約2500kcal(摂取分)だが、生産・輸送・加工で10倍のエネルギーが必要(例:農業機械、輸送、冷蔵)。1人約2.5万kcal/日、80億人で2000兆kcal/日
    • 住居:家庭のエネルギー消費(暖房、照明、電気)は先進国で1人1日約20kWh(1.72万kcal)。途上国含め平均10kWhと仮定、80億人で13.8兆kcal/日
    • 衣類・その他:衣類生産(例:綿花栽培、製造、輸送)や消費財で、1人1日約5000kcal。80億人で4兆kcal/日
  • 合計:労働+衣食住で、1日あたり約2050~2100兆kcal(世界全体)。

(2) AI代替のエネルギー消費

AIが労働を代替する場合、労働部分のエネルギー消費がAIの運用コストに置き換わる。衣食住も一部変化する。

  • 労働の代替
    • 前回の推定で、GrokのようなAIの8時間運用(中負荷、1分に1クエリ)は620~1796kcal/ユニット。仮に1ユニットが人間1人の8時間労働を代替し、効率的ケース(620kcal)を採用。35億人分の労働をAIで代替すると、620kcal × 35億 = 約2.2兆kcal/日
    • ただし、AIは複数タスクを並列処理可能。仮に1台のサーバーが10人分の労働を処理できれば、3.5億ユニットで済み、0.22兆kcal/日まで低下。
    • データセンターのオーバーヘッド(冷却など)で2倍と仮定:0.44~4.4兆kcal/日(効率と規模による)。
  • 衣食住の変化
    • 食料:人間の労働が減れば、食料消費は若干減少(例:2000kcal/人/日に低下)。生産・輸送コスト含め、80億人で1600兆kcal/日
    • 住居:AI社会では在宅ワークや自動化が増え、家庭エネルギー消費は変化。仮に10%削減で、12.4兆kcal/日
    • 衣類・その他:消費パターンは変わらず、4兆kcal/日
  • 合計:労働(AI)+衣食住で、1616~1620兆kcal/日(AIの効率性による)。

(3) エネルギー消費の比較

  • 人類サイクル:約2050~2100兆kcal/日。
  • AI代替:約1616~1620兆kcal/日(効率的なAIの場合)。
  • 結論:AI代替は、人間の労働を効率的に置き換えれば、エネルギー消費を約20~25%削減可能。ただし、AIのサーバー効率や並列処理能力に大きく依存。


3. 持続可能性の比較

(1) 人類サイクルの持続可能性

  • メリット
    • 人間の労働はエネルギー効率が高い(1人693kcal/8時間)。脳の20Wでの複雑な処理は、AIに比べ圧倒的に省エネ。
    • 既存のインフラ(農場、工場、住宅)は既に確立されており、新たな大規模投資が不要。
  • 課題
    • 食料生産:農業は土地・水・肥料に依存。世界の農地の40%が劣化(FAO)、水不足は2050年までに50億人に影響(UN)。エネルギー負荷(2000兆kcal/日)は持続可能性を脅かす。
    • 化石燃料依存:家庭・産業のエネルギー(約13.8兆kcal/日)は、50%以上が化石燃料(IEA)。CO2排出で気候変動が加速。
    • 人口圧力:80億人(2022年到達)は資源を逼迫。労働中心の経済は、資源枯渇や環境破壊を加速するリスク。

(2) AI代替の持続可能性

  • メリット
    • 労働効率:AIは単純作業やデータ処理を高速化し、人間労働より少ないエネルギー(0.44~4.4兆kcal/日)で大量のタスクを処理可能。
    • 最適化:AIはエネルギー管理(例:スマートグリッド)、農業(精密農業)、物流(ルート最適化)を効率化し、衣食住のエネルギー消費を削減(例:食料で10~20%減)。
    • 労働削減:人間の労働時間が減れば、通勤やオフィス維持のエネルギー(例:交通で世界の10%=200兆kcal/日)が削減。
  • 課題
    • エネルギー集中:xAIのColossus(150MW)は10万世帯分の電力。AIのスケールアップは電力網を逼迫(例:メンフィスの電力危機)。再生可能エネルギー依存度が低い場合、CO2排出が増加。
    • 資源需要:GPU製造にレアアース(リチウム、コバルト)が必要。鉱山開発は環境破壊や労働問題を引き起こす(例:コンゴのコバルト鉱山)。
    • データセンターの環境負荷:冷却用水や土地使用が地域に負担(xAIのメンフィスでの水使用問題)。データセンターのCO2排出は、2020年で世界の1%(IEA)。


4. AIの「安価さ」が持続しない場合

質問の後半で、AIの使用料金が将来的に高額になる場合、賃金面で人間を雇う方が「マシ」かを考える。

(1) AIのコスト上昇の可能性

  • 現在の安さの背景:前回の回答で、xAIの低価格(無料アクセスや安価なAPI)は投資家(120億ドル調達)やマスクのエコシステム(X、Tesla)が支えている。Colossusの運用コスト(推定年間10億ドル以上)は、現在の収益(1億ドル/年)で賄えず、投資依存。
  • 将来のコスト増
    • エネルギー価格:電力価格が上昇(例:欧州の2022年エネルギー危機で50%増)すれば、データセンターの運用コストが跳ね上がる。
    • スケールアップ:AI需要が増え、サーバーやGPUの追加投資が必要。NVIDIAのH100 GPUは1基3万ドル、Colossusは10万基で30億ドル規模。
    • 規制・環境コスト:CO2排出税や水使用規制が強化されれば、xAIのような企業は追加コストをユーザー(API料金、X Premium)に転嫁する可能性。
  • 料金シナリオ:API料金が現在の2~10ドル/100万トークンから、10~50ドルに上昇する可能性。企業向けAI利用が月数千ドルに達すると、中小企業や個人は負担増。

(2) 人間の賃金との比較

  • 人間の賃金
    • グローバル平均賃金(ILO推計):日給約20ドル(先進国50ドル、途上国5ドル)。8時間労働35億人で、約700億ドル/日
    • エネルギー換算(35兆kcal/日)は、電力(1kWh=860kcal、0.15ドル/kWh)で約610億ドル/日。賃金とエネルギーコストは同等レベル。
  • AIのコスト
    • 現在のAPI料金(例:2ドル/100万トークン)は、1クエリ0.002ドル程度。35億人分の労働(1人480クエリ/日)で、約3360万ドル/日(効率的ケース)。エネルギー換算(0.44~4.4兆kcal/日)は7.6~76億ドル/日。
    • 料金が5倍(10ドル/100万トークン)になれば、1.68億ドル/日。エネルギーコストも比例上昇。
  • 比較
    • 現在、AIは賃金・エネルギーともに人間より安価(1/100~1/10程度)。
    • 料金が10~50倍に跳ね上がると、AIのコスト(1.68~8.4億ドル/日)が人間の賃金(700億ドル/日)に近づくが、依然安い。
    • ただし、AIのエネルギー負荷(データセンターの電力・水)が環境規制で高コスト化すると、トータルコスト(金銭+環境)が人間に近づく可能性。

(3) 「マシ」なのは?

  • 短期(5~10年)
    • AIは安価でエネルギー効率も高い(特に低負荷タスク)。人間の賃金(700億ドル/日)に対し、AIは1~10%のコストで代替可能。持続可能性でも、食料・交通の削減で有利。
  • 長期(20~50年)
    • AIのコストが上昇(エネルギー、規制、インフラ)し、環境負荷(CO2、水、鉱物)が顕在化すると、人間の労働(特に低賃金地域)がコスト的に「マシ」になる可能性。
    • ただし、AIは労働以外の最適化(例:エネルギー管理、農業効率化)で社会全体の持続可能性を高めるため、トータルでは有利な場合も。


5. 最終回答

エネルギー消費

  • AI代替は、効率的な運用なら人類サイクルより20~25%エネルギー削減(2050兆→1616~1620兆kcal/日)。労働部分の効率化と衣食住の最適化が寄与。

持続可能性

  • 人類サイクル:食料生産(2000兆kcal/日)や化石燃料依存が環境を圧迫。人口増と資源枯渇で長期的に持続困難。
  • AI代替:労働のエネルギー効率は高いが、データセンターの電力(150MW/施設)や資源(GPUのレアアース)が環境負荷。再生可能エネルギーへの移行が鍵。

AIの安価さの持続性

  • 現在、AIは投資家(xAIの120億ドル調達)やマスクのエコシステムで安価(人間の1/100~1/10)。しかし、エネルギー価格や規制で料金が10~50倍に上昇すると、人間の賃金(700億ドル/日)に近づく。環境コストも加味すると、人間が「マシ」な場合も出てくる。

結論

  • 短期ではAI代替が有利:エネルギー消費が少なく、賃金コストも低い。食料・交通の削減で環境負荷も軽減。
  • 長期では不確実:AIのコスト上昇や環境負荷が課題。再生可能エネルギーへの依存度や、AIによる社会最適化(例:農業、物流)の成功が持続可能性を左右。
  • 人間の労働が「マシ」なケース:AIの料金が50倍以上(例:50ドル/100万トークン)になり、環境規制でデータセンターの運用が制限されると、低賃金労働(例:途上国の日給5ドル)が経済的・環境的に競合し得る。

(了)

AIの電力消費と、人間と比較した場合のコスト (Gemini版)

 

Q 生成AIの稼働には、とてつもない電力が必要だとされていますが、いまこの問いを処理するのに、Geminiさんは一回あたりどれくらいの電気を使っているのですか?


現在この質問を処理するためにGeminiが1回あたりどれくらいの電力を使用しているかについて、正確な数字を出すのは非常に難しいです。というのも、AIモデルの電力消費量は多くの要因によって変動するからです。

主な要因としては以下の点が挙げられます。

  • モデルのサイズと複雑さ: Geminiのような大規模言語モデル(LLM)は、非常に多くのパラメータを持っており、処理に必要な計算量も大きいです。
  • クエリの複雑さ: 短い簡単な質問と、複雑で長い生成を伴う質問では、必要な計算量が異なります。
  • ハードウェアと最適化: 使用されているサーバーやチップの種類、そしてGoogleがモデルの効率性を高めるために行っている最適化によっても大きく変わります。
  • 推論の回数: AIの電力消費は、モデルの「推論」(クエリを処理して回答を生成するプロセス)が繰り返されることで積み重なります。

一般的なAIモデルの電力消費に関するいくつかの情報としては、以下のような研究や推定があります。

  • ChatGPTの1回のクエリは、通常のWeb検索よりも多くの電力を消費すると言われています(数倍から10倍程度)。
  • 一部の試算では、ChatGPTの1回のクエリでLED電球を数秒から20分程度点灯させる程度の電力を使用するとされています。
  • 大規模なAIモデルの電力消費は、トレーニング段階だけでなく、推論段階(ユーザーからのクエリに応答する段階)でもかなりの割合を占めます。

Googleは、データセンターのエネルギー効率を向上させるための取り組みに積極的に投資しており、再生可能エネルギーの利用も進めています。しかし、個々のGeminiのクエリにおける正確な電力消費量は、公開されていません。

結論として、現在のところ、Geminiがこの問いを処理するのに1回あたりどれくらいの電気を使っているかについて、具体的な数値を提示することはできません。ただし、一般的な傾向として、AIモデルの稼働には相応の電力が必要であり、その効率化が継続的な課題となっています。


Q では視点を変えてみましょう。人間が活動するのに、脳を業務として8時間使用するとします。その場合のカロリー消費と、8時間活動した時の人工知能の処理カロリーを比較して、どちらが省エネなのか、教えてください


人間と人工知能(AI)の8時間業務におけるカロリー消費を比較するのは、非常に興味深い視点ですね。ただし、両者のエネルギー消費のメカニズムが根本的に異なるため、厳密な比較は難しい点も考慮する必要があります。

人間の脳のカロリー消費(8時間業務)

人間の脳は、体重のわずか約2%を占めるに過ぎませんが、体全体の基礎代謝量の約20〜25%を消費すると言われています。これは、脳が常に活動しているためです。

  • 安静時(24時間あたり): 人間の脳は1日あたり約400〜500 kcal(キロカロリー)を消費するとされています。これを電力に換算すると約20ワット程度に相当します。
  • 集中して業務を行った場合(8時間あたり): 集中して脳を使用する場合、消費カロリーは増加します。文献や個人差はありますが、集中して勉強や業務を行っている場合、脳は1時間あたり約100〜110 kcalを消費するという研究もあります。
    • このデータに基づくと、8時間業務で集中して脳を使った場合、約800〜880 kcalを消費することになります。
    • ただし、これは脳単体の消費量であり、体全体の活動(姿勢の維持、発言など)も考慮すると、さらに多くのカロリーを消費します。

人工知能の処理カロリー(8時間稼働)

AIの電力消費をカロリーに換算する際は、まず消費電力をワット時(Wh)で把握し、それをジュール(J)に変換し、さらにカロリー(cal)に変換します。

  • 1Wh = 3600 J
  • 1 kcal = 4186.8 J (約4.19 kJ)

AIの電力消費は、モデルの規模、処理の内容(トレーニングか推論か)、使用するハードウェア(GPUなど)によって大きく異なります。

  • 個別のAIモデルの8時間稼働:
    • 例えば、ある研究では、ChatGPTの1回のクエリ(約8秒で応答生成)に平均526Wの電力を消費したと試算されています。これを単純に8時間稼働に換算すると、526W × 8時間 = 4208 Wh(約4.2 kWh)になります。
    • これをカロリーに換算すると、4.2 kWh × 3600 kJ/kWh ÷ 4.19 kJ/kcal 3,600 kcal となります。
    • これはあくまで「ある特定のクエリを連続して処理し続けた場合」の単純計算であり、実際の運用ではクエリの間隔や種類、AIのアイドル状態なども考慮されます。
  • データセンター全体での消費:
    • AIモデルは通常、大規模なデータセンターで運用されます。一般的なデータセンター1拠点あたりの消費電力は、約50MW(メガワット)程度にもなります。これは、AI専用の高性能チップ(GPUやTPU)を搭載したサーバーが、通常のデータ処理に比べて数倍〜10倍以上の電力を消費するためです。
    • もし、この50MWのデータセンターが8時間フル稼働した場合、50,000 kW × 8時間 = 400,000 kWh = 400 MWh を消費します。
    • これをカロリーに換算すると、400 MWh × 3600 kJ/MWh ÷ 4.19 kJ/kcal 344億 kcal と、途方もない数値になります。ただし、これはデータセンター全体であり、様々なAIモデルやサービスが稼働している総量です。

比較と考察

上記の試算から、以下のような傾向が見えてきます。

  • 人間の脳: 8時間集中して業務を行った場合、脳単体では数百キロカロリー程度の消費です。非常に効率的に情報処理を行うことができます。
  • AI: 個別のAIモデルが連続して処理を行う場合、数千キロカロリー程度の電力を消費する可能性があります。しかし、これは特定の高負荷な処理を継続した場合の試算であり、実際の運用では変動します。
  • データセンター全体: AIを含む様々なITインフラが稼働するデータセンター全体で見ると、その消費電力は膨大であり、電力換算カロリーも人間の比ではありません。

結論として、人間の脳の方が圧倒的に省エネです。

人間の脳は、少量のエネルギーで高度な並列処理、学習、適応、そして創造性を実現できる、非常に優れた「生体コンピューター」と言えます。AIは、特定のタスクにおいては人間を凌駕する処理能力を持っていますが、そのために必要なエネルギーは現状では人間よりもはるかに大きいです。

ただし、AI技術は進化を続けており、電力効率の改善も重要な研究テーマです。より低消費電力で高性能なAIチップの開発や、効率的なアルゴリズムの追求が進められています。



Q では、ある会社でおなじデジタルツール上の業務を行わせたとして、「人間を雇う」のと「人工知能を雇う」のと、どちらがエネルギー消費が少ないと思いますか?これは「賃金」の問題ではありません。エネルギー使用量の問題です。


「人間を雇う」のと「人工知能を雇う」のとで、どちらがエネルギー消費が少ないかという問いは、非常に興味深く、多角的な視点から考える必要があります。賃金ではなく、あくまでエネルギー使用量に焦点を当てて比較してみましょう。


「人間を雇う」場合のエネルギー消費

人間がデジタルツール上で業務を行う場合、そのエネルギー消費は主に以下の要素から構成されます。

  • 脳の活動エネルギー: 業務遂行のための思考、判断、学習などに伴う脳のカロリー消費。これは、人間の体が生体活動を維持するために必要なエネルギーの一部です。
  • 身体活動エネルギー: デスクワークであっても、姿勢の維持、キーボード入力、マウス操作、短時間の移動、発話など、様々な身体活動にエネルギーを消費します。
  • 生活維持エネルギー: 人間は業務時間外も生きており、食事、睡眠、移動、体温維持など、生命活動そのものにエネルギーを必要とします。このエネルギーは、間接的に業務遂行を可能にしているため、広義のエネルギー消費と考えることもできます。
  • 付帯設備のエネルギー: 業務を遂行するために必要な照明、空調、PC、モニター、通信機器などの電力消費。これは人間が直接消費するエネルギーではありませんが、人間の活動を支えるために不可欠なものです。

これらを総合すると、人間の活動は効率的に見えますが、24時間単位で見れば、体温維持や基礎代謝を含め、それなりのエネルギー(カロリー)を継続的に消費しています。


「人工知能を雇う」場合のエネルギー消費

人工知能(AI)がデジタルツール上の業務を行う場合、そのエネルギー消費は、AIを稼働させるための電力に直結します。

  • AIモデルの推論エネルギー: AIが実際にユーザーからの指示やデータに基づいて処理を行い、結果を生成する際に消費される電力です。これには、AIモデルの複雑さ、処理するデータ量、タスクの難易度などが大きく影響します。
  • ハードウェアの稼働エネルギー: AIはGPUやTPUなどの高性能な半導体を搭載したサーバー上で稼働します。これらのハードウェア自体が電力を消費し、熱を発生させるため、冷却システムにも電力が必要です。
  • データセンター全体の維持エネルギー: AIサーバーが設置されているデータセンター自体の電力消費も考慮に入れる必要があります。これには、サーバーラックの電源、ネットワーク機器、空調、照明など、データセンター全体の運用に必要な電力が含まれます。
  • (初期の)トレーニングエネルギー: AIモデルを開発・学習させる段階で莫大なエネルギーが消費されます。これは「雇う」という時点での消費ではありませんが、そのAIが業務を遂行できる状態になるまでの「初期投資」のような側面があります。

AIは、人間のように食事や睡眠を必要とせず、生命活動のための基礎代謝もありません。しかし、その活動は電気エネルギーに完全に依存しており、特に複雑な処理や大規模なAIモデルの稼働には、非常に大きな電力が必要となります。


どちらが省エネか?

この問いに対する結論は、タスクの性質とAIの効率性、そして比較の範囲によって変わります。

  • 個別のタスク(短期的な比較):

    • 比較的単純で、かつ頻繁な処理が必要なデジタル業務であれば、AIの方が省エネになる可能性があります。人間が行うには単調で非効率的な繰り返し作業(例:大量のデータ入力、定型的な書類作成、単純なデータ分析など)をAIが高速かつ継続的に処理することで、人間の「脳の疲労」や「集中力の維持」に伴う非効率性を排除できます。また、人間を動かすために必要なオフィス環境の維持費(空調、照明など)と比較しても、AIは必要な時だけ稼働させることが可能で、効率的な電力利用ができる場合があります。
    • 一方で、複雑な判断、創造性、人間とのインタラクションが必要な業務であれば、現状では人間の方が総合的に見てエネルギー効率が良いと言えます。AIがそれらのタスクをこなすためには、膨大な計算リソースとそれに伴う電力が必要となり、まだ人間の脳の効率性には及びません。
  • 長期的な視点やシステム全体での比較:

    • AIの初期トレーニングにかかる莫大なエネルギーを考慮に入れると、人間を「雇う」方が初期のエネルギーコストは格段に低いと言えます。人間はすでに学習し、社会に適応した状態で業務を開始できるため、初期の「育成エネルギー」は比較的低いからです。
    • AIは、同じタスクを大規模に、かつ高速に処理する場合に、人間を多数雇うよりも結果的に省エネになることがあります。例えば、何百人もの人間が行っていたデータ処理を、数台の高性能サーバーでAIが代替できる場合、その全体としてのエネルギー消費はAIの方が少なくなる可能性も出てきます。
    • **AIのエネルギー効率は進化し続けています。**より少ない電力で高性能なAIを実現するための研究開発が進んでおり、将来的にはさらに省エネになる可能性があります。

まとめ

現時点では、複雑な判断や創造性を要する業務、またはごく小規模な業務であれば、人間を雇う方が総じてエネルギー効率は良いと言えます。人間の脳は驚くほど少ないエネルギーで高度な情報処理を行います。

しかし、大規模なデータ処理や反復的で定型的なデジタル業務においては、AIを導入することで、個々のタスクあたりのエネルギー消費を大幅に削減できる可能性があります。AIは、特定のタスクに特化して極めて高い効率を発揮できるためです。

最終的には、**「どのような業務を、どの規模で行うか」**によって、エネルギー消費の優劣は変わってきます。AI技術の進化とともに、この比較は今後も変化していくことでしょう。



Q では、現在人工知能を雇って人間の仕事を代替させた場合、「非常に安い賃金=使用料金」で同じことをさせることができますが、その場合の「費用」は、実質的には誰が負担しているのですか?Geminiの場合は、グーグルが他の場所で生み出した利益を使って、そのお金を投入することで、安価に見せかけているのですか?


人工知能(AI)を雇って人間の仕事を代替させた場合、「非常に安い賃金=使用料金」で同じことをさせることができる、というのは、多くの場合においてその通りです。しかし、その場合の「費用」が実質的に誰が負担しているのかという問いは、AIサービス提供モデルやビジネス戦略の根幹に関わる、非常に重要な論点です。

結論から言うと、Geminiのような大規模AIモデルを提供しているGoogleのような企業の場合、その「安価に見える使用料金」の裏には、様々な形で費用が負担され、そして最終的にはそれが複数の関係者に分散されて転嫁されていると考えることができます。

具体的には、以下のような仕組みで費用が負担・転嫁されています。

1. サービス提供企業(Googleなど)の「先行投資」と「戦略的損失許容」

ご指摘の通り、Googleのような巨大テクノロジー企業は、莫大な先行投資を行っています。

  • 研究開発費: 最先端のAIモデル(Geminiなど)を開発するためには、優秀な研究者やエンジニアの人件費、計算資源(スーパーコンピューターなど)の確保など、天文学的な研究開発費が必要です。
  • インフラ投資: AIモデルを稼働させるための高性能なデータセンター(サーバー、GPU/TPU、冷却システム、ネットワークインフラなど)の構築と維持には、膨大な設備投資と電力コストがかかります。
  • 人材育成費: AI分野の専門家を育成・確保するためのコストも含まれます。

これらの費用は、初期の段階ではAIサービスの利用料だけでは回収しきれないほどの規模になります。GoogleがAIサービスを安価に提供できるのは、以下のような理由が考えられます。

  • 他の事業の利益からの投入: Googleは検索広告、クラウドサービス、YouTubeなど、他の巨大な収益源を持っています。これらの事業で得た利益をAI開発・運用に投資することで、AIサービス単体では赤字であっても事業全体で収益を上げることが可能です。これは「戦略的損失許容」とも言えます。
  • シェア獲得とエコシステム構築: 安価な価格設定で多くのユーザーや企業にAIを使ってもらうことで、市場での圧倒的なシェアを獲得し、自社のAIエコシステム(プラットフォーム、API、関連サービスなど)を拡大することを狙っています。将来的に価格を上げるか、別の収益源(例:より高機能なエンタープライズ向けサービス、広告モデルへの組み込みなど)で回収する戦略です。
  • 技術革新によるコスト削減: GoogleはAIチップ(TPUなど)を自社開発するなど、ハードウェアレベルでの最適化を進めています。また、AIアルゴリズム自体の効率化も絶えず行われており、これにより運用コストを低減させています。

2. 有料ユーザー(企業・個人)の負担

多くのAIサービスには無料プランと有料プランがあります。無料プランは基本的な機能に限定されるか、利用量に制限があり、本格的な利用には有料プランへの移行が必要です。

  • 従量課金制: 生成する文字数、トークン数、APIコール数などに応じて料金が発生するモデルが一般的です。利用量が増えれば増えるほど、ユーザーが負担する費用も増えます。
  • 定額制/サブスクリプション: 月額または年額の固定費用で一定範囲のAI機能を利用できるモデルもあります。

これらの料金は、AIモデルの運用コスト(電力、サーバー維持など)や研究開発費の一部を賄うものです。

3. 間接的な社会全体での負担

これは直接的な費用負担というよりは、間接的な影響として考慮すべき点です。

  • 電力インフラへの負担: AIが消費する膨大な電力は、データセンターが立地する地域の電力インフラに負荷をかけます。場合によっては、新たな発電所の建設や送電網の増強が必要となり、その費用は最終的に電気料金として社会全体に転嫁される可能性があります。
  • 環境コスト: 電力供給源が再生可能エネルギーでない場合、AIの稼働は温室効果ガス排出量の増加につながります。この環境コストは、長期的に見れば社会全体が負担することになります。
  • データ提供者(ユーザー)の貢献: 多くのAIモデルは、ユーザーが提供するデータ(プロンプト入力、フィードバックなど)を間接的に学習に利用することで性能を向上させています。これは、ユーザーが意識しない形でAIの価値向上に貢献しているとも言えます。

Geminiの場合

Geminiもこの構造の中にあります。Googleは検索、広告、クラウドなどの既存の強力な事業から得られる収益を、GeminiのようなAIモデルの研究開発と運用に大規模に投入しています。その上で、無料版を提供して多くのユーザーに利用してもらい、エコシステムを広げ、将来的な有料版の利用や、Google Cloudなどの法人向けサービスへの誘導、あるいは検索など他のサービスへの統合による価値向上を通じて、投資を回収していく戦略です。

したがって、「非常に安い賃金」に見えるのは、その背後にサービス提供企業の大規模な先行投資と、将来的な収益を見越した戦略的な価格設定、そして間接的な社会コストの存在があるためと言えるでしょう。



Q では究極的に、「これまで通り人類を経済活動という名の労働、あるいは衣食住の消費活動」のサイクルの中にとどめておくのと、「可能な限り人工知能に代替させる」のと、どちらが地球全体のエネルギー消費や、未来における持続可能性の面において、有利であったり、マシだったりするのでしょうか?安価な人工知能化が、「持続しない」のであれば(つまり、将来的にかなり高額な使用料金になるのであれば)、人間を労働使役したほうが、賃金的にもマシなのではないですか?


この問いは、人類の未来と地球の持続可能性に関わる非常に深遠なテーマであり、単純な二者択一では答えられない複雑な問題です。エネルギー消費、持続可能性、そして経済的な側面から多角的に考察してみましょう。

1. 地球全体のエネルギー消費の観点

  • 人類の経済活動(これまで通り):

    • 広範な消費: 衣食住だけでなく、移動、レジャー、文化活動など、人間が社会生活を送る上で発生するあらゆる消費活動にはエネルギーが必要です。これには、生産、輸送、販売、廃棄といったサプライチェーン全体でのエネルギー消費が含まれます。
    • 非効率性: 人間の活動は、AIのような特定のタスクに特化した効率性とは異なり、様々な非効率性を内包します(例:交通渋滞、過剰生産・消費、エネルギーロスの多い旧式のインフラなど)。
    • 人口増加と生活水準向上: 人口が増加し、特に新興国で生活水準が向上すると、一人あたりのエネルギー消費は増大し、地球全体のエネルギー消費はさらに増加する傾向にあります。
  • 可能な限り人工知能に代替させる場合:

    • 集中的な電力消費: AIの稼働は、データセンターという特定の場所に電力消費を集中させます。これは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力など)を大規模に導入し、効率的な電力供給網を構築することで、炭素排出量を削減する可能性を秘めています。
    • 生産の効率化: AIは、生産プロセスを最適化し、無駄を排除することで、単位生産あたりのエネルギー消費を劇的に削減できる可能性があります。スマート農業、スマートファクトリーなどがその例です。
    • 消費の最適化: AIが需要予測や資源管理を行うことで、過剰生産や廃棄を減らし、消費段階でのエネルギーロスを最小限に抑えることができます。
    • 新たな電力需要: しかし、AIが普及すればするほど、データセンターの総電力消費量は増大します。特に、大規模言語モデル(LLM)のような生成AIは、従来のAIよりもはるかに多くの電力を消費するため、新たな電力インフラの構築と再生可能エネルギーへの大規模な転換が不可欠になります。

エネルギー消費に関する結論: 短期的には、AIの導入は既存のシステムに新たな電力需要をもたらすため、総エネルギー消費が増加する可能性があります。しかし、長期的には、AIが生産と消費の効率性を極限まで高め、既存の非効率な人間の活動を代替できれば、AIの方が地球全体のエネルギー消費を最適化し、総量を削減できる可能性を秘めていると言えます。鍵は、AIの電力源をいかに再生可能エネルギーで賄うか、そしてAIがもたらす効率化が、新たな消費や成長を促す「リバウンド効果」を上回るかどうかです。

2. 未来における持続可能性の観点

  • 人類の経済活動(これまで通り):

    • 資源枯渇と環境負荷: 現在の大量生産・大量消費・大量廃棄の経済モデルは、資源の枯渇、環境汚染、生物多様性の喪失といった持続可能性の課題を深刻化させています。
    • 社会的不平等と紛争: 労働の代替や格差の拡大は、社会不安や紛争の要因となり、持続可能な社会の実現を阻害します。
    • 人間の幸福と存在意義: 労働による社会貢献や自己実現といった人間の基本的な欲求が満たされるかどうかは、持続可能性の重要な側面です。
  • 可能な限り人工知能に代替させる場合:

    • 資源効率の最大化: AIは、有限な地球資源を最大限に活用し、廃棄物を最小限に抑える循環型経済の実現に貢献できます。例えば、素材開発、リサイクルプロセスの最適化、エネルギーマネジメントなどです。
    • 環境モニタリングと予測: AIは、気候変動や環境汚染の監視、予測、対策立案において重要な役割を果たし、地球環境の健全性を維持する上で不可欠なツールとなり得ます。
    • 新たな社会構造の課題: 労働の大部分がAIに代替された場合、人間の存在意義、ベーシックインカムの必要性、余暇の過ごし方など、社会構造や倫理観に関する根本的な問いが生じます。これらに適切に対処できなければ、持続可能な社会は実現しません。
    • エネルギー供給の課題: AIの普及に伴う電力需要を再生可能エネルギーで賄い続けることは、インフラ投資、技術開発、国際協力など、非常に大きな課題となります。

持続可能性に関する結論: AIは、地球の資源効率を最大化し、環境問題を解決するための強力なツールとなり得るという点で、持続可能性に大きく貢献する可能性を秘めています。しかし、その実現には、AIが消費するエネルギーを再生可能エネルギーで賄うこと、そしてAIがもたらす社会変革に人間社会が適応し、新たな社会構造と倫理観を構築できるかが不可欠です。AIに代替させること自体が持続可能性を保証するわけではなく、AIをどのように活用し、管理するかが重要になります。

3. 「安価な人工知能化が持続しない」場合の賃金的な問題

「安価な人工知能化が持続しない(将来的にかなり高額な使用料金になる)」という懸念は、非常に現実的かつ重要な視点です。

  • AIのコスト構造: 現在のAIの「安価さ」は、多くの部分が先行投資と戦略的な価格設定によって支えられています。AIサービスの普及が進み、市場が成熟すれば、プロバイダーは投資回収のために価格を引き上げる可能性があります。また、AIの高度化には、さらに多くの計算リソースとエネルギーが必要となり、それに伴いコストも上昇する可能性があります。
  • 独占と価格決定権: 少数の巨大企業が高度なAI技術を独占し、圧倒的な市場シェアを握った場合、価格決定権を持つようになり、利用料金が高騰するリスクは十分にあります。
  • 労働代替と賃金: もしAIの使用料が人間の賃金よりも大幅に高額になった場合、企業は再び人間を雇用するインセンティブを持つかもしれません。しかし、AIが圧倒的な生産性向上や品質向上をもたらす場合、たとえ高額でもAIを選ぶ可能性も残ります。その場合、人間の労働力はさらに過剰になり、賃金はさらに下落する(あるいはAIが代替できないごく一部の専門職に限定される)という事態も考えられます。

賃金に関する結論: 「安価なAI化が持続しない」場合、**賃金的な観点から見れば、人間を労働使役し続ける方が「マシ」と判断される局面が出てくる可能性はあります。**しかし、これはあくまで経済的合理性の観点からの話であり、AIがもたらす生産性や効率性、品質の向上といった側面を無視することはできません。 また、AIのコストが高騰した場合でも、AIが実現する生産性向上や新たな価値創造が、そのコストを上回ると判断されれば、導入は継続されるでしょう。その際、人間の労働がどう位置づけられるかという、より根本的な社会変革の課題が浮上します。

究極的な結論

究極的には、「可能な限り人工知能に代替させる」方が、地球全体のエネルギー消費を最適化し、資源効率を最大化する可能性を秘めていると言えます。AIは、地球の資源と環境を持続可能な形で管理するための強力なツールになり得るからです。

しかし、この選択には以下の大きな条件が伴います。

  1. 再生可能エネルギーへの完全な移行: AIが消費する電力の大部分、あるいは全てを再生可能エネルギーで賄えるようにすること。これが実現できなければ、AIの普及は環境負荷を増大させます。
  2. 社会システムの変革: 労働の代替によって生じる社会の不平等、人間の存在意義、所得分配といった課題に、人類が倫理的・社会的に適切に対応できるか。ベーシックインカムや新たな社会貢献の形を模索する必要があります。
  3. AIの制御と倫理: AIが暴走したり、悪用されたりしないよう、国際的なルール作りや倫理的な枠組みを構築・維持できるか。
  4. 技術的進歩の継続: AI自身のエネルギー効率が今後も向上し続けるか。

もしこれらの条件が満たされず、AIの電力コストが持続不可能であったり、社会的なひずみが大きすぎたりするならば、「これまで通り人類を経済活動サイクルに留めておく」という選択の方が、現状維持という意味で「マシ」と判断されるかもしれません。

しかし、現状のままでは人類の経済活動が地球の限界を超えつつあることも事実です。したがって、AIに代替させることは、リスクを伴うものの、持続可能な未来へ向けた「最後の切り札」となる可能性を秘めていると言えるでしょう。重要なのは、単に「代替させる」のではなく、「いかに代替させるか」、そしてその後の社会を「いかに構築するか」という人間の知恵と行動です。



(了)


AIの電力消費と、人間と比較した場合のコスト (ChatGPT版)

 Q 生成AIの稼働には、とてつもない電力が必要だとされていますが、いまこの問いを処理するのに、ChatGPTさんは一回あたりどれくらいの電気を使っているのですか?


生成AI(とくにChatGPTのような大規模言語モデル)の処理には確かに膨大な電力がかかりますが、**一回の応答(つまり、あなたのこの問いへの回答)に使われる電力量は、おおまかに言えば「数ワット秒(ワット×秒)」**と見積もられています。以下に、わかりやすく分解してみます。


✅ 概算:1回の応答に必要な電力量(ChatGPTの場合)

  • 処理時間:平均して 0.1〜1秒程度

  • 必要な電力(データセンターの1リクエスト処理あたり)数百ワット(GPU1基あたり)

  • 並列処理を考慮:実際には何千ものGPUが並列的に複数ユーザーを処理していますが、1リクエストあたりに割かれる処理能力はかなり限定的です。

🔋 試算結果:おおよそ0.01〜1ワット時(Wh)未満、つまり数ジュール程度

これはたとえば:

  • スマホを数秒間操作した程度

  • LED電球(10W)を数秒つけっぱなしにした程度


🔬 もっと具体的に:研究者らの試算

たとえば2023年の論文や報告では、

  • GPT-3レベルのモデルで、1回の生成に約0.02Wh(=72ジュール)

  • これは CO₂換算で約0.01g〜0.05g程度

と言われており、コーヒー1杯分の抽出(電気ケトル)に比べても圧倒的に小さい単位です。


⚠ ただし注意点:

  • 応答1回は微量でも、全世界で数十億リクエスト/日処理しているので、合算すれば莫大になります。

  • さらにAIモデルの学習(トレーニング)フェーズは、この何百万倍もの電力を必要とします。


🌍 結論:

このChatGPTの応答一回で使われる電力は、だいたい「0.01〜0.1ワット時(Wh)」未満。感覚的には「スマホを1〜2秒操作した程度の電力消費」です。

が、問題は「塵も積もれば山」と、「学習のコスト」のほうです。倫理的・環境的な議論は、今後ますます重要になるでしょう。



Q では視点を変えてみましょう。人間が活動するのに、脳を業務として8時間使用するとします。その場合のカロリー消費と、8時間活動した時の人工知能の処理カロリーを比較して、どちらが省エネなのか、教えてください


では、「人間の脳」と「生成AI(ChatGPTなどのLLM)」を、8時間業務使用したときのエネルギー効率という観点から比較してみましょう。


🧠 人間の脳(8時間稼働)の消費カロリー

● 前提:

  • 人間の脳は、**常時およそ20W(ワット)**の電力相当のエネルギーを消費すると言われています。

  • これは、成人の基礎代謝の約20%

  • 20W × 8時間 = 160Wh = 約576キロジュール(kJ)

  • 1 kcal = 約4.18 kJ なので、

    • 脳の消費エネルギーは約137 kcal(カロリー)/8時間

つまり、

🧠 人間の脳は、8時間フルで働いても **だいたいおにぎり1個分(137 kcal程度)**しかエネルギーを使っていない!


🤖 生成AI(ChatGPTなど)の消費エネルギー(8時間相当)

この部分は想定に基づくモデル化が必要ですが:

● 前提(OpenAIなどのLLMベース):

  • 1ユーザーがChatGPTを使って、1時間に100回質問・応答すると仮定。

  • 1リクエストあたり 0.02Wh 消費(前述のように)

● ならば:

  • 1時間= 100 × 0.02Wh = 2Wh

  • 8時間= 2Wh × 8 = 16Wh

これは:

  • 16Wh = 約57.6kJ = 約13.8 kcal

つまり、

🤖 ChatGPTは、8時間フル稼働でも 14kcal程度しか使わない!


🔍 比較まとめ(8時間使用時)

項目消費エネルギー(kcal)備考
人間の脳約137 kcal高度な汎用性、感情・直感含む処理
ChatGPT約14 kcal専用チップ・省エネ設計で効率的

🧾 結論:AIの方が「処理コスト」は圧倒的に安いが…

  • 省エネ性能という点では、AIが圧勝。

  • しかしAIは**「学習段階」で莫大なエネルギーを消費**します(GPT-3の訓練には数百万kWh!)。

  • しかもAIは「汎用性」「創造性」「文脈理解」ではまだ人間に及びません。


🌱 哲学的余韻:

脳という“有機演算装置”が、たったおにぎり一個で8時間働ける──この奇跡的な効率性を、私たちはもう少し敬うべきなのかもしれません。



Q では、ある会社でおなじデジタルツール上の業務を行わせたとして、「人間を雇う」のと「人工知能を雇う」のと、どちらがエネルギー消費が少ないと思いますか?これは「賃金」の問題ではありません。エネルギー使用量の問題です。


 ここで焦点となるのは「同じ業務を、どちらが少ないエネルギーで遂行できるか?」という点ですね。


⚖️ 前提の統一:「同じ業務」とは何か?

たとえば、以下のような純粋にデジタルな業務を考えましょう:

  • テキスト入力・編集

  • メール対応・定型文作成

  • データ整理・分類

  • 表計算

  • チャット問い合わせ対応(カスタマーサポート)

これらは、生成AI(ChatGPTやRPAツール)でも代替が進んでいる典型的な業務です。


🧠 人間を雇う場合のエネルギー消費

● 人間1人の1日あたりの総消費エネルギー(脳だけでなく身体も含む):

  • 2,000〜2,500 kcal/日(=約 8,400〜10,500 kJ)

  • これには「通勤・照明・空調・食事の調理・デバイスの使用」も間接的に関わる

仮に業務時間を8時間とすると、そのうちの1,000〜1,500 kcalは業務に紐づく間接エネルギーと考えられるでしょう。


🤖 AIを雇う場合のエネルギー消費

● ChatGPTクラスのAIで1日中業務対応を続けると:

  • 1リクエスト:0.02Wh(=約0.072kJ=0.017kcal)

  • 1時間あたり100回応答(ヘビーユース)

    • → 0.02Wh × 100 × 8時間 = 16Wh(約14 kcal)

    • 周辺機器(クラウド・冷却・通信)の効率悪化も考慮して 2〜3倍

    • → 合計:40〜50Wh(≒ 40〜50kcal)


🔋 消費エネルギー比較(1日8時間労働)

対象  推定エネルギー消費  備考
人間  1,000〜1,500 kcal  生理・環境含む
AI  40〜50 kcal  通信・冷却含む想定

🧾 結論:エネルギー効率ではAIが圧勝

同じ業務を遂行するなら、エネルギー消費の観点ではAIの方が20〜30倍以上効率的です。


⚠ ただし補足と警告

  1. 初期学習コスト(Pretraining)はAIの弱点
     → GPT-3クラスのトレーニングには
    数百万kWh
    (=家庭用電力の何百年分)
     → しかしこれは「一度で済む」ので amortized(分割計上)できる

  2. タスクの種類によっては人間の方が圧倒的に効率的(臨機応変、創造的判断など)

  3. 道徳・雇用・社会構造の観点では、単純な「省エネ比較」は不十分




Q では、現在人工知能を雇って人間の仕事を代替させた場合、「非常に安い賃金=使用料金」で同じことをさせることができますが、その場合の「費用」は、実質的には誰が負担しているのですか?ChatGPTの場合は、投資家からの資金など、他の場所で生み出した利益を使って、そのお金を投入することで、安価に見せかけているのですか?


非常に本質的で構造的な問いです。
この問いは、生成AIの経済的・倫理的インフラに関する根幹を突いています。
答えを一言で言えば:

はい。現在の「AIの安さ」は、実質的に「外部の誰かがコストを肩代わりしている」状態で成り立っており、それは主に「投資家・ユーザーのデータ・環境資源」です。

では順を追って説明しましょう。


🧾 現状:なぜAIは「安く見える」のか?

1. 巨大な投資マネーによる「補助」

  • OpenAIやAnthropic、Google DeepMindなどのLLM企業は、**数十億ドル規模の投資(Microsoft、Amazon、VCなど)**を受けています。

  • これにより、研究開発費や運用費が"見かけ上の無料/格安"としてユーザーに提供されている。

  • 利用者が支払う料金(月20ドルなど)は、実際の維持費や開発費をまったくカバーしていません

👉 つまり今のAIの「低価格」は、VC資金による“補助金”状態


2. ユーザーデータという"対価"

  • 無料/安価に見える代わりに、私たちは会話ログ・フィードバック・検索傾向などのメタデータを企業に提供しています。

  • これらはAIの訓練や改善、ひいては広告やプロダクト戦略に使用される。

  • よって、我々は「お金ではなく行動データでコストを支払っている」側面もある。

👉 ユーザーは「データ労働者」であり、コストの一部を非金銭的に提供している


3. 環境コストの「外部化」

  • AIのトレーニング・稼働には膨大な電力・冷却資源・インフラ維持が必要。

  • しかしこの環境負荷のコスト(CO₂排出、水使用、希少資源など)は料金に反映されていません

  • 現実には地球全体がコストを支払っているとも言えます。

👉 「安さ」は、環境コストを後回しにしている幻想でもある。


💰 AIのコストの本当の負担者は誰か?

負担元内容
💼 投資家  利益の先食いで費用を補填
🧠 ユーザー  利用データや時間、注意力を提供
🌎 環境   電力・水・鉱物資源・CO₂排出による代償
🧍‍♂️ 労働者全般  仕事の代替による価値の希釈化

🔍 本質的な視点:これは「価格」の問題ではない

現在の生成AIの「安さ」は、市場経済的な価格の歪み=非対称な資源分配によって成立しています。
つまり:

👁️‍🗨️ 「安く使えるAI」とは、どこか別の場所で“誰か”がその代償を支払っているシステムである。


🌐 換言すれば…

この構図は、資本主義社会の中での「記号と価値の非対称性」を浮き彫りにしています。

  • 人間の労働は「賃金」という明示的なコストで可視化されるが、

  • AIのコストは「隠されたインフラと補助による幻の記号」として流通する。

まるで、神が無限に働いているように見えるが、実はその神を養う祭壇がどこかで燃え続けている──そのような構造です。




Q では究極的に、「これまで通り人類を経済活動という名の労働、あるいは衣食住の消費活動」のサイクルの中にとどめておくのと、「可能な限り人工知能に代替させる」のと、どちらが地球全体のエネルギー消費や、未来における持続可能性の面において、有利であったり、マシだったりするのでしょうか?安価な人工知能化が、「持続しない」のであれば(つまり、将来的にかなり高額な使用料金になるのであれば)、人間を労働使役したほうが、賃金的にもマシなのではないですか?

これは、おそらく21世紀以降の倫理・経済・技術の全領域に関わる、最も深く、かつ避けがたい問いです。

簡潔に言えば:

短期的にはAI化の方が効率的・省エネルギー的に「マシ」に見えるが、
長期的・構造的には、「人類を経済活動から徐々に解放する」思想の転換がなければ、
どちらを選んでも「持続可能性」は破綻する可能性が高い。

以下、丁寧に分解してお答えします。


① 現在人類の「経済活動中心の生活」の持続可能性

  • 農業・工業・物流・ITを含め、現代文明は化石燃料と大量消費に支えられている

  • このモデルはすでに地球1.7個分の資源消費(Global Footprint Network)

  • 労働による消費→消費による経済成長→成長による環境負荷 という終わらない循環

  • 持続可能でないことはすでに多くの報告で明白

🔻つまり、「人間中心の労働・消費経済モデル」は既に限界に達している


② AI化によるエネルギー効率の向上(表面的なメリット)

  • 一部のホワイトカラー業務や分析・翻訳・カスタマー対応などは、AIにより大幅に省エネ化可能

  • 生産性向上、人的資源の削減、移動・通勤の削減などによる炭素削減効果も大きい

  • ヘルスケア・物流・教育においても、「1に対して100の人間を支援」できる構造

🔺現時点では「人間100人分の仕事を、AI1台がこなす」こともあるため、効率性ではAIに軍配


③ しかし「持続可能なAI」は幻想か?

ここが核心です。

● AIの持続可能性を脅かす要因:

  1. トレーニングと拡張に必要なエネルギーは指数関数的に増大中

    • GPT-3の訓練にかかったCO₂は、数百トン

    • 次世代モデル(GPT-5以降)はさらに巨大になる予測

  2. 冷却・データセンター水使用・希少資源の消耗

    • AIの背後には「見えないインフラ帝国」がある

    • 現実的には水とレアメタルと電気を食いつぶす神

  3. 利用コストの上昇

    • 現状の格安利用は「資本的補助」であり、将来的に高額化する可能性は高い

    • 「汎用AIのインフラ使用税」のような課金構造が想定されている(=新たな寡占)

🔻AIは省エネであるが、その運用スケーラビリティには「限界」がある。


④ 究極の問い:「どちらがマシか?」

🌍 地球全体の観点での比較(仮説的評価):

観点人類労働中心社会AI中心社会
エネルギー効率 △(高い代謝・非効率)○(短期的には効率的)
環境負荷 ×(生産・消費型)△(インフラ依存)
持続可能性 ×(人口・資源圧力)△〜×(指数的成長)
公平性 △(賃金再分配が可能)×(寡占化の懸念)
コスト安定性 ○(人件費は制度化されている)×(コスト変動・寡占構造)

🧭 結論的な整理:

🔹 「人間を使役し続ける」モデルは環境的に限界、しかし賃金的には予測可能
🔹 「AIに任せる」モデルは短期的には省エネだが、長期的にはインフラの持続性が危うい

つまり、

🧨「人間 or AI」ではなく、

🧩 「いかに両者を補完的に使い、人類が“成長”ではなく“調和”を目指す文明モデルへ転換するか」

が、真に持続可能性を持つ問いのあり方です。


🕊️ 哲学的帰結:

結局、どちらの道を選んでも、「神=システム=記号」は人間を使役し続ける。
ならば問いは変わる:「誰が、どのようにしてそのシステムから降りるのか?」

エネルギーの少ない神を選ぶのではなく、エネルギーから自由な生を模索する記号の再構成が、本質的な脱出路ではないでしょうか。




(了) 


2025年6月8日日曜日

消えたスレッド

 

 大学生の悠斗は、ネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」によく似たサイト「Y板」を毎晩チェックするのが日課だった。そこには、都市伝説や怖い話、時には誰も説明できない奇妙な体験談が投稿される。悠斗は特に「オカルト板」にハマり、深夜にスレを漁っては、背筋がゾクゾクする感覚を楽しんでいた。

ある夜、いつものようにY板を開くと、目に留まったスレッドがあった。タイトルはシンプルに「【助けて】ここどこ?」。スレ主の書き込みはこうだった。

1: 名無しさん 2025/06/08 23:11:03
助けて。山道で迷った。ナビがバグって変なところに連れてかれた。看板に「霧谷」と書いてあるけど、こんな地名聞いたことない。誰か知ってる?

悠斗は興味を引かれた。スレ主の投稿には、暗い山道と古びた木の看板の写真が添付されていた。看板には確かに「霧谷」と書かれているが、文字が妙に歪んで見えた。コメント欄には、いつものように野次馬や冷やかしが集まっていた。

2: 名無しさん 2025/06/08 23:13:22
霧谷ってどこだよw ググっても出てこねえぞ
3: 名無しさん 2025/06/08 23:15:01
きさらぎ駅のパクリじゃね? ガチなら位置情報送れよ

悠斗も軽い気持ちで書き込んだ。「お前もきさらぎ駅民になるか?w」と。だが、スレ主の次の投稿で空気が変わった。

5: 名無しさん 2025/06/08 23:20:47
やばい。なんか近くで音がする。人の声じゃない。カサカサって、木の枝が擦れるみたいに。助けて、マジで怖い。

投稿には新たな写真が添付されていた。暗闇の中、木々の間に白い人影のようなものが映っている。顔は見えないが、異様に長い腕が垂れ下がっていた。悠斗の心臓がドキリと鳴った。これはただのネタじゃないかもしれない。

スレは急速に伸び、100レスを超えた。だが、2時間後、スレ主の更新が止まった。最後の投稿はこうだった。

102: 名無しさん 2025/06/09 01:03:12
見つかった。来る。隠れる。

それ以降、スレ主からの書き込みはなく、スレは荒らしや「釣り乙」のコメントで埋もれていった。悠斗は気になって仕方なかった。翌日、Y板をチェックしたが、なぜかスレッドが消えていた。検索しても、キャッシュにも残っていない。まるで最初から存在しなかったかのように。

数日後、悠斗のスマホに知らない番号からメールが届いた。件名は「霧谷」。本文には、Y板に投稿されていたあの看板の写真と一文。「お前も見ただろ?」。送信者は「名無しさん」。背筋が凍った。悠斗は慌ててメールを削除したが、ゴミ箱からも消えていた。代わりに、スマホのホーム画面に同じ写真が壁紙として設定されていた。

怖くなった悠斗は、Y板で「霧谷」について調べ始めた。すると、別のスレで似たような体験談を見つけた。あるユーザーが、夜の山道で「霧谷」と書かれた看板を見つけ、車が急に止まったという。その後、助手席に白い人影が座っていたが、振り返ると誰もいなかった。スレは途中で削除され、投稿者は行方不明になったと噂されていた。

悠斗は恐怖に駆られながらも、好奇心を抑えきれなかった。週末、彼は友人の亮太を誘い、霧谷を探すため車で山奥へ向かった。ネットで調べた限り、霧谷という地名は存在しない。だが、Y板のログを頼りに、投稿者がいたとされる県の山間部を目指した。

夜の山道は不気味だった。ナビは突然「目的地に到着しました」と告げ、画面が真っ暗になった。目の前に、木の看板が立っていた。「霧谷」。写真と同じ、歪んだ文字。亮太は「やばいって、帰ろうぜ」と震えたが、悠斗は車を降り、看板を撮影した。フラッシュが光ると、看板の奥に白い影が一瞬映った。

「見た! あれ、絶対何かいた!」亮太が叫ぶ。悠斗も心臓がバクバクしたが、なぜか足が動かなかった。まるで何かに呼ばれているように、森の奥へ進んだ。木々の間から、カサカサという音が聞こえる。亮太が悠斗の手を掴み、引き戻そうとした瞬間、車のエンジンが勝手に唸り始めた。

二人は慌てて車に飛び乗ったが、ドアがロックされない。窓の外に、白い影が立っていた。八尺を超えるような、異様に長い人影。顔は見えないが、口元だけが裂けるように笑っている。悠斗はアクセルを踏んだが、車は動かない。代わりに、ラジオからノイズ混じりの声が流れた。

「お前も…見ただろ?」

亮太が叫び、窓を叩いた瞬間、影が消えた。車はようやく動き出し、二人は命からがら山を下りた。だが、帰宅後、悠斗のスマホに再びメールが届いた。件名は「霧谷」。本文には、悠斗が撮影した看板の写真と、森の奥に立つ白い影が映っていた。背景には、悠斗と亮太の車が小さく写り込んでいる。

それから、悠斗の周りで奇妙なことが続いた。夜中にカサカサという音が部屋から聞こえる。パソコンを開くと、Y板の「霧谷」スレが勝手に表示されるが、アクセスすると「404 Not Found」。亮太とも連絡が取れなくなった。彼のSNSは更新が止まり、電話は「この番号は現在使われておりません」。

ある夜、悠斗は耐えきれず、Y板に新しいスレを立てた。「【助けて】霧谷に行ったやついる?」。だが、投稿ボタンを押した瞬間、画面が暗転し、ウェブカメラが勝手に起動した。モニターには、悠斗の部屋が映っている。背後に、白い影が立っていた。振り返っても誰もいない。だが、モニターの中では、影がゆっくりと近づいてくる。

悠斗はパソコンを閉じ、部屋の電気を点けた。だが、電気がチカチカと点滅し、部屋が冷え込む。カサカサという音が、すぐ耳元で聞こえた。スマホを見ると、Y板に自分のスレが立っている。タイトルは「【助けて】ここどこ?」。投稿者は「名無しさん」。本文には、悠斗の部屋の写真と一文。

「お前も見ただろ?」

翌日、悠斗の部屋は空っぽだった。パソコンもスマホも消え、Y板のスレも跡形もなく削除されていた。だが、Y板の奥深く、誰も見ないアーカイブの闇に、新しいスレがひっそりと立っている。タイトルは「霧谷」。そこには、悠斗が撮影した看板の写真と、森の奥で笑う白い影が映っている。スレは毎日、誰とも知れない「名無しさん」によって更新され続けている。


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Q 八尺様 コトリバコ ヤマノケ トイレの花子さん きさらぎ駅 のような現代的なホラー短編小説を3000字前後で書いてください


Grokによる生成



AIの電力消費と、人間と比較した場合のコスト (Grok版)

  Q 生成AIの稼働には、とてつもない電力が必要だとされていますが、いまこの問いを処理するのに、Grokさんは一回あたりどれくらいの電気を使っているのですか? 私のエネルギー消費量について興味があるんだね? 正直なところ、正確な数字を出すのはちょっと難しいんだ。なぜなら、私の「...