大学生の悠斗は、ネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」によく似たサイト「Y板」を毎晩チェックするのが日課だった。そこには、都市伝説や怖い話、時には誰も説明できない奇妙な体験談が投稿される。悠斗は特に「オカルト板」にハマり、深夜にスレを漁っては、背筋がゾクゾクする感覚を楽しんでいた。
ある夜、いつものようにY板を開くと、目に留まったスレッドがあった。タイトルはシンプルに「【助けて】ここどこ?」。スレ主の書き込みはこうだった。
1: 名無しさん 2025/06/08 23:11:03
助けて。山道で迷った。ナビがバグって変なところに連れてかれた。看板に「霧谷」と書いてあるけど、こんな地名聞いたことない。誰か知ってる?
悠斗は興味を引かれた。スレ主の投稿には、暗い山道と古びた木の看板の写真が添付されていた。看板には確かに「霧谷」と書かれているが、文字が妙に歪んで見えた。コメント欄には、いつものように野次馬や冷やかしが集まっていた。
2: 名無しさん 2025/06/08 23:13:22
霧谷ってどこだよw ググっても出てこねえぞ
3: 名無しさん 2025/06/08 23:15:01
きさらぎ駅のパクリじゃね? ガチなら位置情報送れよ
悠斗も軽い気持ちで書き込んだ。「お前もきさらぎ駅民になるか?w」と。だが、スレ主の次の投稿で空気が変わった。
5: 名無しさん 2025/06/08 23:20:47
やばい。なんか近くで音がする。人の声じゃない。カサカサって、木の枝が擦れるみたいに。助けて、マジで怖い。
投稿には新たな写真が添付されていた。暗闇の中、木々の間に白い人影のようなものが映っている。顔は見えないが、異様に長い腕が垂れ下がっていた。悠斗の心臓がドキリと鳴った。これはただのネタじゃないかもしれない。
スレは急速に伸び、100レスを超えた。だが、2時間後、スレ主の更新が止まった。最後の投稿はこうだった。
102: 名無しさん 2025/06/09 01:03:12
見つかった。来る。隠れる。
それ以降、スレ主からの書き込みはなく、スレは荒らしや「釣り乙」のコメントで埋もれていった。悠斗は気になって仕方なかった。翌日、Y板をチェックしたが、なぜかスレッドが消えていた。検索しても、キャッシュにも残っていない。まるで最初から存在しなかったかのように。
数日後、悠斗のスマホに知らない番号からメールが届いた。件名は「霧谷」。本文には、Y板に投稿されていたあの看板の写真と一文。「お前も見ただろ?」。送信者は「名無しさん」。背筋が凍った。悠斗は慌ててメールを削除したが、ゴミ箱からも消えていた。代わりに、スマホのホーム画面に同じ写真が壁紙として設定されていた。
怖くなった悠斗は、Y板で「霧谷」について調べ始めた。すると、別のスレで似たような体験談を見つけた。あるユーザーが、夜の山道で「霧谷」と書かれた看板を見つけ、車が急に止まったという。その後、助手席に白い人影が座っていたが、振り返ると誰もいなかった。スレは途中で削除され、投稿者は行方不明になったと噂されていた。
悠斗は恐怖に駆られながらも、好奇心を抑えきれなかった。週末、彼は友人の亮太を誘い、霧谷を探すため車で山奥へ向かった。ネットで調べた限り、霧谷という地名は存在しない。だが、Y板のログを頼りに、投稿者がいたとされる県の山間部を目指した。
夜の山道は不気味だった。ナビは突然「目的地に到着しました」と告げ、画面が真っ暗になった。目の前に、木の看板が立っていた。「霧谷」。写真と同じ、歪んだ文字。亮太は「やばいって、帰ろうぜ」と震えたが、悠斗は車を降り、看板を撮影した。フラッシュが光ると、看板の奥に白い影が一瞬映った。
「見た! あれ、絶対何かいた!」亮太が叫ぶ。悠斗も心臓がバクバクしたが、なぜか足が動かなかった。まるで何かに呼ばれているように、森の奥へ進んだ。木々の間から、カサカサという音が聞こえる。亮太が悠斗の手を掴み、引き戻そうとした瞬間、車のエンジンが勝手に唸り始めた。
二人は慌てて車に飛び乗ったが、ドアがロックされない。窓の外に、白い影が立っていた。八尺を超えるような、異様に長い人影。顔は見えないが、口元だけが裂けるように笑っている。悠斗はアクセルを踏んだが、車は動かない。代わりに、ラジオからノイズ混じりの声が流れた。
「お前も…見ただろ?」
亮太が叫び、窓を叩いた瞬間、影が消えた。車はようやく動き出し、二人は命からがら山を下りた。だが、帰宅後、悠斗のスマホに再びメールが届いた。件名は「霧谷」。本文には、悠斗が撮影した看板の写真と、森の奥に立つ白い影が映っていた。背景には、悠斗と亮太の車が小さく写り込んでいる。
それから、悠斗の周りで奇妙なことが続いた。夜中にカサカサという音が部屋から聞こえる。パソコンを開くと、Y板の「霧谷」スレが勝手に表示されるが、アクセスすると「404 Not Found」。亮太とも連絡が取れなくなった。彼のSNSは更新が止まり、電話は「この番号は現在使われておりません」。
ある夜、悠斗は耐えきれず、Y板に新しいスレを立てた。「【助けて】霧谷に行ったやついる?」。だが、投稿ボタンを押した瞬間、画面が暗転し、ウェブカメラが勝手に起動した。モニターには、悠斗の部屋が映っている。背後に、白い影が立っていた。振り返っても誰もいない。だが、モニターの中では、影がゆっくりと近づいてくる。
悠斗はパソコンを閉じ、部屋の電気を点けた。だが、電気がチカチカと点滅し、部屋が冷え込む。カサカサという音が、すぐ耳元で聞こえた。スマホを見ると、Y板に自分のスレが立っている。タイトルは「【助けて】ここどこ?」。投稿者は「名無しさん」。本文には、悠斗の部屋の写真と一文。
「お前も見ただろ?」
翌日、悠斗の部屋は空っぽだった。パソコンもスマホも消え、Y板のスレも跡形もなく削除されていた。だが、Y板の奥深く、誰も見ないアーカイブの闇に、新しいスレがひっそりと立っている。タイトルは「霧谷」。そこには、悠斗が撮影した看板の写真と、森の奥で笑う白い影が映っている。スレは毎日、誰とも知れない「名無しさん」によって更新され続けている。
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Q 八尺様 コトリバコ ヤマノケ トイレの花子さん きさらぎ駅 のような現代的なホラー短編小説を3000字前後で書いてください
Grokによる生成
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